インド人の数感覚と手相の関係
インド人の友人の数の数え方が面白い。
以前、何の数か忘れたが「この料理って何種類のスパイスを使ってるの?」的な質問をしたら、期せずして数感覚の違いを知ることになった。
彼女はおもむろに片手を出し、
"1, 2, 3, 4..."
もう片方の手の人差し指で、一本ずつ指をなぞっていく。
日本人的な感覚だと、片手で数えられる数は
指を伸ばした状態の5 + 指を折った状態の5 = 10
なので、「あ~8種類くらいなのかな~」と眺めていた。
ところが、彼女の片手のキャパはそんなものではなかった。
"5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, (えっ?) 12... yes, 13!"
余裕で13を数えたのである。この人片手でいくつまで数えられるの??
足の指まで入れたらどうなっちゃうのか??
聞くと、彼女は片手で15数え、両手で扱える数が30に達するらしい。
インドの人々は数感覚にすぐれており、それが国を挙げてのIT化に成功した一因かも、という話は聞いたことがあったので、これが摩訶不思議な印度数学の源…? と思いつつ(今思えば大袈裟すぎる)、どうして片手で15も数えられるのか聞いてみた。
彼女が言うには、指を先端部・中部・付け根部に分け、
先端部5 + 中部5 + 付け根部5 = 15
となるらしい。
けれど、他の指はともかく親指を3つに分けるのって無理ないか?
貧弱な英語を必死に使いつつ(サムイズセパレーテドイントゥオンリー2!)片手を差し出すと、彼女は、いや親指も3つに分かれてるがな、と私の手の横に自分の手を並べた。
"「Oh...」"
なんとインド人の親指は3つに分かれていた。島田秀平が見たらすごい早口で色々と解説を始めそうだが、これがインド人の普通らしい。
ヒトの指が3本だったら3進数の文化ができていたかもしれない、という話は聞いたことがあったが、実はヒトの中でも、手相によってちょっとずつ数感覚が違うのかもしれないと感じる出来事だった。