研究発表スライドのチェックポイント
研究発表が一段落着いたので、研究発表スライドのチェックポイントをまとめておこう!
大きな流れとしては「導入→方法→結果→考察→今後の課題」が基本。
全体で意識できるといいこと
🔲スライドの見やすさと統一感
具体的に全てのページに必要なのが、
1.今大きな流れの中のどこにいるのか
2.ページ数(質問する側にとって便利)
これをできるだけシンプルに、一貫したデザインで見せられると良い。
※無駄に色数を使うのはNGだが、条件ごとにテーマカラーを決めて使い分けるのは最高。(2022/2/17)
タイトルは見やすいよう大きく書くが、ひとつの内容で複数枚に渡るときは、2枚目以降はヘッダーにタイトルを移すのがおすすめ。
🔲口に出す言葉の中からスライドに入れる言葉を決める
🔲伝えたいニュアンスはイラストなどで補う
🔲始めに口頭で全て伝えるつもりで原稿を書き、それを視覚的に補ってくれる道具としてスライドを作る。
原稿が書き言葉になったり、流れが悪くなってしまう人におすすめ。
導入
🔲場に合わせた導入を
一般の人向けなら、日常生活でこういうこと気になりません?とか、こういう病気があるけどまだ良い治療法がないんです、とかから。専門家相手ならもっと詳しいところから。このレベル感をスライド全体に適用する。
🔲導入部の展開
私がよく注意されてしまうミスが、先行研究の紹介から始めてしまうこと。好ましい流れとしては
どういうことが知りたいのか
↓
どういうことが分かっている・わかっていないのか。
これから紹介する自分の研究が立脚している先行研究(必要なら)
↓
それに対し自分は何をしたか
熱のこもった研究は、自然にこの流れになっている気がする。
目次
🔲実験が複数ある時は目次を活用
目次の有無は与えられた発表時間による。
十分に時間がある時は、「初めにこれをやったらこれが分かったので、それをもとにこれも実験した」という流れを時々聴衆に思い出してもらうために間に目次を挟むと良いかも。
下の図のように、これから見るところを強調する、そして結果を見せた後には結果から言えることに書き換える、などの工夫でさらにわかりやすくなる(ただし、余裕がある時。時間がないならこれは些末なこと)。
方法
🔲聴衆が様子を具体的に想像できる
一般的な手法ならひとことで済むかもしれないが、行動実験や自作の実験システム、目新しい手法とかなら、図や動画も入れる。ここでも聴衆が何を知っているか理解しているほど適切な見せ方ができる。
結果
🔲グラフの縦軸、横軸、単位はわかりやすく
これは基本~☝
🔲グラフ→グラフで注目してほしいこと→つまりどういうこと
グラフから言えることをスライドの下に1行で書くのが親切。
ちなみに、独自の指標を導入するのって基本的にはできるだけ避ける方が良いのだけど(先行研究でもっと良く考えられた指標があるのでは? 導入する前によく確認しよう)、どうしても使う場合はその指標(の正負、絶対値)が何をあらわすのか、そして具体例があると聴衆にもわかりやすい。
考察
🔲結果を見せた流れと同じ流れで考察もしたい
もっと言えば実験結果が複数の場合は、結果→考察→結果→考察とした方が分かりやすいことも。方法もまじえつつ臨機応変に。
「なぜ○○だったか?」みたいなタイトルだと興味を持たれやすい、らしい。
今後の課題
🔲今回のまとめを見せたうえで今後の課題を
今回の研究でどこまでわかったかを短文でまとめてから今後の課題を見せるのが親切。
補足
🔲質疑応答対策
質疑応答を想定すると、これ聞かれそうだな、というのはいくつか思いつく。質問されたときに口だけじゃ説明しきれないと思うなら、発表中には使わない補足スライドを作っておくと助かる。
非表示スライドとかで、より細かい条件や様子、参考情報を見せられると、質疑応答が盛り上がって自分も楽しめるディスカッションにつながる。研究の甘いところを詰められて冷や汗描くだけが質疑応答じゃない!(という願望)
1月は2記事/月の目標を達成できなかったので、今月は3記事書きたいな。