逃げるしっぽを追いかけろ

生物学専攻大学院生の趣味ブログ・マイペース更新

良い論文を読みたい

良い論文を見つけるのは難しい。

良い論文だと思って時間をかけて読んでみたら、実は目的もデータの示し方もイマイチな残念論文だったり、逆に弱小論文だと思って流していたのに、後からすごくいい研究をしている論文だったと気付いたり。

ここでは、できるだけ過不足なく良さそうな論文をピックアップする方法(+自己流技)をまとめておく。

検索する

まずは、適当なキーワードで検索をかけてみる。

ここで重要なのが、どこで、どんなキーワードで検索するかだ。

 

信頼のおける検索サイトとして、個人的には、PubMedをよく使う。(医学・生物学向け)

 

そして、どんなキーワードで検索するか。

ここでは、対象分野のことをどれだけ知っているかが問われる。このことに気づいたとき、改めて勉強は一生続くんだなと思った。

もし全く初見の分野にとりかかる場合は、まずは入門書やReview(総説)を読んでみることをお勧めする。詳しい知り合いにイチ押しを聞いてみるか、検索サイトで出来るだけ新しくかつ出来るだけ被引用数が高いものを選ぶといい。

自己流ポイント

わたしは、検索に使った単語とヒットした論文を記録しておき(論文絨毯爆撃.txt)、場合によっては興味深い論文タイトルには印をつけるようにしている。過去にどんな検索をしたか忘れたり、「なんか面白そうなタイトルを見た記憶はあるけど、具体的に思い出せない…」という経験を何度かしたので。博覧強記の民には必要ないと思う。

それと、知識が増えれば増えるほど新たな検索ワードは浮かんでくる。研究が始まってからも、新たに浮かんだ検索ワードは控えておいて、たまに時間を見つけては検索してみる習慣をつけるのが良いと思う。

 

タイトルを読む

検索結果の論文タイトルを片っ端から読む。そして、よさげなものは別タブで開いておく。

ひととおりタイトルを観終わったら、今度はAbstract読みに移る。

自己流ポイント

ここでも、何か思うことがあれば論文絨毯爆撃.txtに記しておく。

 

Abstractを読む

開いておいたタブに移動し、順番に研究の目的や手法、結果を把握していく。ここで使えそうだと思った論文はきちんと読み込み、さらに今後何度も参照しそうなものはMendeley*1に登録する。

ちなみに、手法の理解にはAbstractよりもFigureが役に立つことも多い。

 

見出しは「Abstractを読む」としたが、実はこのタイミングで著者とジャーナルを見ておくことも大切だ。

よく見かける著者やジャーナルは分野での前線とも考えられ、その分野が現在どのように発展しつつあるのか知るヒントになる。

また、ジャーナルの把握に関しては、学術的な発展よりも手近な利益を優先するハゲタカジャーナルを避けることにつながる。

補足:ハゲタカジャーナルについて

さきほど信頼のおける検索サイトとして紹介したが、実際のところ、たとえPubMedであっても油断ならないらしい。

ある記事*2では、PubMedで検索できる論文にもハゲタカジャーナルが含まれる可能性が示されている。

そこで、あまりにも聞いたことの無いジャーナルであれば

Search results for '' | COPE: Committee on Publication Ethics

で検索してみることにしている。そこでヒットするジャーナルならば、まあ読んでもいいと考えられる。

もし、もっと隠れた名作の検出力を高めたかったら(?)世の中にはハゲタカジャーナルリストなるものが存在するらしいので、それで検索して引っかからなければとりあえず読んでみるのも手かもしれない。

 

得た知識を活用する

研究の参考にするもよし、生活習慣の改善につなげるもよし。

そういえば、まだ論文紹介をまともにしたことが無いのだが、いつかすることになるかもしれない。ある程度方法がわかってきたら、それもまとめられればと思う。

 

※全然関係ない感想

人が読むと思うと、自分専用のノートより懇切丁寧に書かないとと思って、意外と気を遣う。これが人に見せる文章を書くということなのか…。

なんだか、3日坊主になりそうな予感。月に2本は記事を書くと、事前に目標を決めておこう。